腫瘍の診断には、原発腫瘍・リンパ節・遠隔転移の3つのチェックを行うために様々な検査を行います。
細胞診
腫瘍が疑われる箇所の細胞を検査するために、細い針で患部の細胞を採取し顕微鏡下にて細胞の形態を検査します。100%の診断は難しいものの、腫瘍の悪性や良性、さらに腫瘍細胞のおおまかな分類を明らかにします。細胞診は大きく、剥離細胞診と穿刺吸引細胞診の2種類に分かれます。
剥離細胞診では、体表からの分泌物や尿などを検体として実施されます。
穿刺吸引細胞診では、注射針を腫瘍組織内に刺し、吸引することによって針の中に採取した微量な組織を検体として実施します。
中にはこの検査のみで診断できる腫瘍もあり、動物への負担は比較的軽いため、腫瘍が疑われるときは基本検査として行います。
画像検査
画像検査(レントゲン、CTまたはMRI検査)によって腫瘍の位置、大きさ、組織への浸潤の程度を把握できるとともに、転移の有無を調べます。
病理検査
腫瘍と疑われる患部の組織を取り除き、その細胞の種類や組織の変化を顕微鏡で捉えて病気の診断を行います。病変部から細胞のみを採取する細胞診検査とは異なり、取り出した組織の断面を直接観察することが可能なため、細胞診検査では得られない様々な情報を得ることが出来ます。
腫瘍の診療においては最終的診断方法の一つであり、腫瘍の特定とともに良性病変か悪性かを判定します。