ワンちゃん・ネコちゃんがお家にやってきた日から、お手入れは必要となります。
体をタオルで拭いてあげることも大切なお手入れのひとつです。自宅でのお手入れは飼い主様とワンちゃん・ネコちゃんとのスキンシップとなり、それがしつけにもつながっていきます。まず、体を触ることから始めましょう。体を触ることに慣れることで、自宅でのお手入れの幅も広がっていきます。
※当院では、爪きり、耳そうじ、歯みがき、ブラッシング、シャンプーが自宅でできるよう、サポートをおこなっています。
爪きり
爪は伸びてくると内側に巻いていき、肉球にささることがあります。普通はお散歩で歩くときに削れますが、室内犬は伸びすぎていないか注意が必要です。
爪が伸びすぎると爪の中に通っている神経、血管も共に伸びてしまいます。また、犬・猫の足の内側には狼爪という爪があります(無い子もいます)。特にこの爪は地面に触れないので伸びやすく要注意です。
伸びすぎた爪は人間や動物自身を傷つける可能性があるので、定期的なお手入れが必要です。
Q:どこまで切ったらいいですか?
爪の中には神経、血管が通ってるため深爪には注意しましょう。
先端のとがっている部分だけを落とします。
ひっかかったり、触れても痛くないよう、爪やすりで切り口を丸くします。
もし出血した場合は、綿花などで圧迫し止血します。
爪きりの手順
- 体、爪を切る足が動かないよう保定します。嫌がるワンちゃんは、おもちゃやオヤツなどで気をそらします。
- 先端の尖っている部分を爪きりで切り落とします。
- 爪やすりで切り口を磨きます。
商品
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ギロチンタイプ
小型・中型・大型犬に最適
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ニッパタイプ
猫・子犬・超小型犬・まき爪に最適
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爪やすり
爪きり後の切り口を磨くもの
耳そうじ
耳アカがたまった状態だと耳の病気にかかりやすくなるため、汚れ具合に応じてお手入れが必要です。
ただし耳はデリケートな部分のため、間違ったケアだと逆に炎症の原因になることもあり、注意が必要です。
Q:中のどこまで掃除をしたらいいですか?
綿棒などで奥まで掃除しようとすると、耳の中を傷つけやすいので、コットンをイヤーローションで充分に湿らせ指の届く範囲を優しく拭いてあげましょう。
奥の方は獣医師・トリマーにみてもらいましょう。
Q:イヤーローションの水分は耳の中に入っても大丈夫ですか?
乾いたコットンで拭くと皮膚を傷つけてしまいます。
余分な水分が耳の中に入っても、頭を振り、自分自身で水分を外に飛ばすことができます。
耳そうじの手順
- 体、顔を動かないよう保定します。
- ガーゼまたはコットンにイヤーローションをしみこませ、優しく耳の中を届く範囲で拭いてあげます。綿棒は皮膚を傷つけることもあるので使用しないでください。
- 余分な水分を飛ばすため、体をブルブルさせてください。
商品
歯みがき
健康に暮らしていくためには歯みがきも大切です。歯みがきを怠ると歯周病になる可能性も高まります。
子犬の時期から歯を触ることに慣れさせることで、歯磨きを習慣づけやすくなります。毎日の歯みがきで、歯の健康を守りましょう。
Q:歯が黄色くなってきたら歯みがき始めた方がいいですか?
歯みがきは歯石をとるためにするのではなく、歯石予防のために行います。
歯がキレイな時からの毎日のケアにしましょう。
Q:歯ブラシを嫌がって歯みがきがきちんとできません。
初めから歯ブラシを使っての歯みがきは難しいでしょう。
口を触ることから慣れさせ、歯を触ることに慣れさせ、歯みがきペーストを舐めさせてみて、少しずつ磨いていきましょう。
いろんなタイプの歯みがきがありますので、合ったタイプのものを選んであげましょう。
歯みがきの手順
- 顔を動かないよう保定します。
- 上唇をもちあげ、歯と歯ぐきを出します。
- 歯磨きペーストをつけたブラシを口の中にいれ少しずつ磨いていきます。
商品
ブラッシング
ブラッシングはできる限り毎日してあげてください。抜け毛を取り除いたり毛玉になることを防ぐだけでなく、皮膚のマッサージや皮膚病の予防にもつながります。また毎日皮膚に触れることで、皮膚の異常を早期に発見することもできるでしょう。
ただしブラッシングするときの力が強すぎると、かえって皮膚を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。
ブラッシングを習慣づけることで、毎日ワンちゃん・ネコちゃんとのコミュニケーションをとりましょう。
Q:いろんなタイプのブラシがありますが、どれを使ったらいいですか?
毛の長さによって使うブラシが異なりますので、ご相談ください。
Q:毛玉ができてしまったらどうやってとればいいですか?
毛玉をとるためのブラッシングではなく、毛玉を作らないためのブラッシングですので、毎日の習慣にしましょう。もし、毛玉ができてしまったら、無理にひっぱたりせず、少しずつ指でときほぐしながら、優しくといてあげましょう。それでもとけない毛玉はトリマーまで声をおかけください。
ブラッシングの手順
- スリッカーブラシを使って毛の根元から丁寧にときほぐします。ピンの面が皮膚に対して平行になるようにし、 マッサージするような感じで・・・。
- コームでクシ通りを確かめながら毛の流れにそって、整えていきます
商品
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スリッカーブラシ
毛をかきわけて、根元の毛から丁寧にときほぐします。ピンの面が皮膚と平行になるように使用します。
力を入れてブラッシングすると皮膚を傷つけてしまうので、マッサージするような感じでおこないます。
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ピンブラシ
片手で皮毛を持ち上げ、根元から毛先にむけてやさしくブラッシングします。ブラシは力を入れずに、軽く手に持って使用しましょう。
※主に長毛種に使用
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ラバーブラシ
ラバーブラシは死毛や抜け毛、汚れなどを無理なく落とし、皮毛にツヤを出す効果があります。
※主に短毛種に使用
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コーム
コームはブラッシングの最後にクシ通りを確かめ、皮毛の流れを整えるのに使用します。
シャンプー
シャンプーをすることは、動物独特の臭いを軽減させるだけでなく、皮膚病の予防にもつながります。また、皮膚のマッサージにもなるので、血行がよくなり新陳代謝を高めることもできます。
ただし、毎日のシャンプーは必要な脂分を洗い流してしまい乾燥したり、被毛がバサバサになりこともあるので必要ありません(薬用シャンプーでは毎日して良いものもあります)。月に1~2回、シャンプーをすることをおすすめします。
※人用のシャンプーは、動物の皮膚には良くありませんので使わないでください(人と動物では皮膚のphが違います)。
Q:シャンプーの種類が多いですが、どんなシャンプーを選べばいいですか?
その時の状態(皮膚・被毛)に合ったものを選ぶべきですので、ご相談ください。
Q:目にシャンプーが入ったり、耳に水が入ったらどうすればいいですか?
目にシャンプーが入った場合は、すぐにお湯で目の中を洗い流してください。
目に異常がみられる場合はすぐに動物病院へ。
シャンプー後は必ず体をブルブルさせ、耳の中の水分を飛ばさせましょう。
当院では、飼い主様の自宅でのお手入れをサポートするため、シャンプー・道具を販売しています。
選び方や使い方などわからないことはスタッフまでお気軽にご相談ください。